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ツンデレな彼を落としたい

第4章 インターハイ予選


インハイ予選当日

相手は烏野高校。落ちた強豪飛べない烏なんて呼ばれているけど、あなどれない。

私がまだ伊達工のマネージャーをする前。1度だけ烏野高校の試合を見た事がある。クラスの子に誘われ、青城と烏野との練習試合を見に行ったのだ。青城は強豪校なだけあり、バランスの取れた良いチーム。対して烏野は攻めの姿勢を崩さない攻撃タイプ。守備こそ不安定だったが、1年生コンビの速攻とその攻撃を支える土台である先輩達に目を引かれた。
1度宮城県大会では烏野高校に勝利したそうだが、数段も強くなった彼らは正直恐ろしい。

マネージャーは1人しかコートに入れないので私は観客席からみんなの試合を応援する事にした。

インハイ予選を控えた前日の夜、二口さんからこんな連絡が来ていた。

二【俺、明日すげぇ頑張るからさ、凛ちゃんの何か貸してくんない?普段身につけてるものとかなんでもいいから。お守り代わりに。】

何を渡そうかと考えたが、思いつかなかった私は引き出しの中から刺繍糸を何種類か引っ張り出し、勝つようにと願いを込めてミサンガを編んだ。

当日の皆は朝からずっとピリついていた。ミサンガを渡そうにも渡せる雰囲気じゃ無かったので、結局渡せないまま今に至る。

試合は1セット目を烏野に取られ、離されないように点差を縮めてはいたが、2セット目も取られてしまった。私たちマネージャーや応援に来ていた伊達工の生徒達の応援も虚しく敗退となった。

試合後キャプテン同士の握手も終わり、選手達が応援席へと重い足取りで向かってくる。

選手達「応援、ありがとうございました。」

応援に来ていた生徒たちは拍手をしてくれたが、暗い表情の選手たちが控え室へと戻っていく。選手を追いかけて、私も控え室へと向かう。戻る途中

青「春高、、。」

二「、、!!そうですよ、春高があるじゃないですか。先輩一緒に春高出ましょう。」

鎌「いや、俺ら3年は春高には出ねぇよ。今日で引退だ。」

二「なんでですか!!」

鎌「就活もあるし。色々と大変なんだよ」

悔しそうな表情の二口さんと青根さん。

鎌「だから、お前らに託す。俺らのこの悔しさを春高で晴らしてくれ。期待してっからな。」

二・青「!!!」

渡せなかった悔しさでミサンガを握りしめ、選手達のやり取りを聞いた私は、春高への決意を固めたのだ。
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