第2章 バレーボール
伊達工バレー部の一日練は朝8時半から始まる。
朝が早いこともあり、凛には事前に俺のジャージを渡し、高校で落ち合うことにした。
予め、コーチと監督にはバレーが好きな従姉妹がバレーを見に来ることを伝えておいた。2人とも強面だが優しい人達だから笑顔で快諾してくれた。
問題はやはり部員だ。
俺は練習の準備に取り掛かる部員に声をかけた
「今日は前も言ってた通り、俺の従姉妹が見に来る日だ。迷惑かける事は無いと思うけど、バレーについて聞かれたら優しく答えてやって欲しい。特に二口は悪口ばっか言って泣かすなよ。青根も会話する努力はしてやって欲しい。他の奴らも困らせる事はすんなよー、もししたら、練習メニュー追加な!って訳でよろしくー」
二口 「やだなー、茂庭先輩!俺が先輩の従姉妹泣かすわけないじゃないですか。それと、過保護は嫌われますよー」
なんて一言多い生意気な二口
青根 (先輩の従姉妹、、!バレー上手いのか!?)
なんかロックオンしようと考えてそうな青根
鎌先 「おいおい!可愛かったらどーしよ。茂庭ー!連絡先聞いてもいい?俄然テンション上がるわ」
凛に手を出そうとする脳筋バカ
黄金川 「従姉妹さんってバレーやってたんすか!?俺教えてもらいたいっす」
素直で可愛い成長中の黄金川
聞いてなさそうな部員に溜息をつきながらも察した笹谷が励ましに肩を叩いてくれる。
笹谷 「まあ、マネージャーの滑津もいる訳だしさ、あんまり心配せずいつも通り練習しよう。アイツらも茂庭の大事な従兄弟だって分かってるし、大丈夫だろ。」
笹谷がいてくれて良かったって心の中で思いながら、いつも通りとはいかず少しソワソワしながら、凛の到着を待った。