第1章 始まりの春
☆国見side
5限の授業は昼食後だし、やっぱり眠い。それでも隣の席の凛を見るとちょっと頑張る気が起きてくるから、らしくない。最近どーにも凛が気になる、事も無いはずであってほしい。
睡魔に勝てずウトウトと夢見心地で先生の話を聞きながら、何気なく横を向いて驚いた。彼女が泣きそうな顔をしながら、ボーッと開いてもいない教科書を眺めていたから。その後どんどんと前のめりになり、教科書を枕に彼女は寝てしまった。
こちらを向きながら眠る彼女を見ると、意識されてないなとか無防備すぎるなとか、募るイライラをこっそり鞄から出した塩キャラメルを食べて消化させていく。
すっかり覚めた眠気のせいで退屈な先生の話を聞く羽目になった腹いせにチラチラ凛を見ては、後でからかってやろうと考えてたら、悪い夢でも見たのか凛が涙を流しながら、
凛 「ゆ、、い、、」
なんて寝言を言うから、友達なのか好きな男の名前なのか分からずモヤモヤするからまた塩キャラメルをこっそり食べた。
チャイムがなり、日直の子が挨拶しても起きない凛が流石に少し心配になり
「ねぇ、、 凛、凛!!授業終わってるよ」
って起こしたら
凛「ごめん、笑 爆睡しちゃってた💦
起こしてくれてありがとう!5限は睡魔との戦いだねぇ」
とか辛そうな顔で笑うから、からかう気も起きないじゃん