• テキストサイズ

ツンデレな彼を落としたい

第13章 偵察


訪問の最後は白鳥沢学園

またしてもツテのない私は学校に電話をかけた。白鳥沢学園の監督の鷲匠さんは怖くて有名な人だ。でも彼の指導によって、白鳥沢は衰えることを知らない。電話をかけてみた感じでは、そんなに怖そうな人じゃなかったし、見学の件も了承してくれた。

だからか、行って驚いた。

体育館に響き渡る怒号。選手達の緊張が私にも伝わってきた。凄く昭和って感じの熱血指導だ。

「お忙しい中、了承して頂きありがとうございます。」

鷲匠「見る分には構わねぇよ。別に邪魔にもならないしな」

「は、はい。ありがとうございます」

鷲「適当に座って見てくれ」

「はい、ありがとうございます!」

またもや、隅の方に座ってペンを走らす。

白鳥沢は去年まで牛若さんがいたチームだ。牛若さんの強烈スパイクでリベロの選手の腕の骨にひびが入ったって聞いたことがある。それ程までの威力らしい。

毎年鷲匠さんが強い選手達を集めてるって聞くし、今年はどんなプレイになるかな。3年生には去年からの正セッター白布さんが居る。それに川西さんって人も。2年生には牛若さんと張り合ってた五色くんが居る。五色くんがエースかな、ストレートもクロスも安定に上手い。そんな五色君を見て牛若さんには適わないって白布さんが喝を入れてる。それに1年生には2メートル越えのミドルブロッカーの選手が居た。

今年も私から見ても凄いってわかるくらいの選手たちが揃っていた。

白鳥沢の強さの秘訣はスパルタな鷲匠先生の熱血指導かな。100本サーブを終えるまで帰れない禊があるって聞いたことあるし。

練習を見ながら、メモを取っていると鷲匠さんが声をかけてくれた

鷲「体格や身長が全てだと思うか?」

急な質問に驚きながらも、自分の思いを話した。

「それらはバレーに欠かせないものです。でも、全てでは無いと思います。ましてや身長なんて、望んで高くなるようなものでは無いですから。それでも自分の弱さを知り、努力すれば大きい選手をも凌駕する選手になれると思ってます。」

鷲「……そうか。」

「すみません、長々と。」

鷲「いや、儂が聞いたからな」

「鷲匠さんはどうお考えなんですか?」

鷲「儂は圧倒的な強さは、恵まれた身長や体格によるものだと思っていた。でも最近は、そうじゃないのかもしれないと思い始めたところだ」

「そうなんですね」
/ 127ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp