第5章 遭遇
先生が的確な指示を出し戦闘している間に私たちは安全な場所へと避難を開始する。
先生の"個性"を考えるとどちらかと言えばサポートタイプだと思っていた。
だけど、"個性"の性質上、対少数・不意打ちからの短期決戦が得意分野だったみたい。
上手く立ち回り、ヴィランを次々と倒していく。
相澤先生なら大丈夫だろう。
そんな考えが頭を過った瞬間だった。
私達の目の前に黒くて大きな靄のようなものが現れた。
「初めまして。我々は敵連合。せんえつながら……この度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて頂いたのは、平和の象徴オールマイトに息絶えていただきたいと思ってのことでして」
黒い靄は、紳士的な言葉遣いとは裏腹に殺意のある言葉を口にした。
オールマイトを殺す……?
それが彼らの目的……?
気づいたら私は時計を回し、刀を手にして黒い靄に飛び掛かっていた。
私と爆豪くん、切島くんが靄に攻撃をしたのはほぼ同時だった。
「危ない危ない………。そう……、生徒といえど優秀な金の卵」
攻撃が、全然効いていない……?」
「ダメだ、どきなさい!」
刹那。
黒い霧が私達を覆うように広範囲に広がった。
気づけば私は先ほどまでいた広場ではなく、土砂災害ゾーンへと飛ばされていた。
ワープがもやもやの"個性"なんだ。
オールマイトを殺すって言っていた。
そう簡単に殺せるとは思えないけど、でもこんなふうに襲来してきたのは殺せる算段ができたとも考えられる。
それに、この前のマスコミ乱入も雄英の情報を得るための計画の一部だとしたら……。