第5章 遭遇
次の日、相澤先生に「お前、誰かのノート見て写したか?」って疑われて、悲しくなりつい「昨日の夜、爆豪くんに教えてもらった」と口が滑った。
教室がシン、と静まり返りしまったと思った時にはもう遅い。
「え⁉なにどゆこと!?昨日の夜!!?」
「お前らそういう関係!?」
「見損なったぞ、爆豪!!!!」
教室中が震えんばかりの騒ぎに私は恐る恐る爆豪くんを見る。
彼の目は吊り上がり掌がバチバチと音を鳴らしている。
あ、殺される。
「おい」
死んだとしてもこれは私が悪い。
居候していることは言わないでって爆豪くん言っていたのに、それを破ってしまったのだから。
しかし、相澤先生の冷たい声に再び教室は静まり返る。
学校の先生たちだけは私が爆豪家に居候していることは知っている。
その事情も。
先生は深いため息を吐き、私と爆豪くんを見つめた後、静かに口を開いた。
「廻は家の都合で爆豪の家に居候しているだけだ。変な噂を立てたり詮索したりして騒ぎを大きくするな」
その言葉にクラスメイトは黙って頷いた。
私はというと、この後きっと爆豪くんにこっぴどく怒られて死ぬんだろうなと覚悟を決めた。