第5章 遭遇
悩みに悩んで、拳を握り締めゆっくりと口を開いた。
「先のことはどうにかする。後で考える。私は、相澤先生のあの憐れむような目をもう見たくない」
まっすぐ爆豪くんの瞳を見つめると、彼は舌打ちをし頭をガリガリと掻いた。
「どの口が言ってんだ」
文句を垂れながらも、爆豪くんは宿題を見てくれた。
爆豪くんにとっては簡単な問題だったようで「なんでこれがわかんねえんだよ!授業真面目に聞いてたんか!」って怒られた。
それから1時間と少し経って、漸くすべての問題が解けた頃には、今にも爆破しそうな程苛立っている爆豪くんが出来上がっていた。
私のせいなのは明白だから何度も何度も謝って「今度、爆豪くんのお願い一つ聞くから怒らないで」って言ったら「二言はねえな?」って睨んできたから全力で頷いた。
その時見せた笑顔が怖すぎて、私はもしかしたら何かを間違えたかもしれない。
でも、爆豪くんのおかげで宿題が終わった事は事実。
「ありがとう」と頭を下げて、自分の部屋へと戻った。