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【僕のヒーローアカデミア】雨上がりの詩は星の色

第5章 遭遇





昼休み、食堂へ行くとたくさんの人で溢れかえっていた。
ヒーロー科の他にサポート科や経営科の生徒も集まるから仕方のないことだけど。

「なんか廻って変わってるよな」

たまたま一緒のテーブルに一緒になった上鳴くんがふとそんなことを口にした。
そんな上鳴くんに「あんた何言ってんの?」と注意したのはこれまた同じテーブルに座った芦戸さん。

「いやだってさ。体力測定の時だって"個性"使わなかったし、さっきだって手挙げなかったしよ。ヒーロー目指すんだったら普通手を挙げんじゃん」
「人それぞれじゃん、それは」
「そうだけどさぁ」
「私の"個性"は"ギャンブル"なんだ」

体力測定は"個性を使わなかった"のではなく"個性をつかえなかった"だけ。
多分何がでてもうまく活用することはできなかったと思う。

「それに委員長はやりたい人がやるべきだよ。私はやりたくないんだ。人をまとめるの苦手だし。判断力にも欠けてるから」
「それは慣れじゃね?俺だってさぁ……」

見た目のチャラさとは違って、上鳴くんは結構人を気にするんだな。
これを優しさととるかお節介ととるかは個人の考えだけど、こういう人が将来ヒーローとして活躍するんだろうなと思った。

と、その時だった。
学校中にけたたましい音が鳴り響いた。
警報だと理解した時には、食堂はパニック状態に陥り、狭い非常口は人で溢れかえり避難しようにも避難できるものではなかった。
そのせいで、身動きが取れないうえに後ろからも前からもぎゅうぎゅうと押され内臓が押し上げられるような感覚がした。


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