第5章 遭遇
学校へ着くと、マスコミや野次馬で校門前は賑わっていた。
オールマイトが雄英の教師に就任したと言うニュースは、全国を驚かせた。
その為、今みたいに一目見ようと集まる民間人や話題を貪ろうと躍起になるマスコミでちょっとした騒ぎになっている。
でも彼らは雄英の中に入る事はできない。
何故なら雄英の敷地に入る為には、学生証や通行許可IDを身につけていないと行けない。
身につけていない者が門をくぐるとセキュリティが働き、校内のいたるところにあるセンサーが作動する、らしい。
だから私達は安心して勉学に励むことができる。
「昨日の戦闘訓練お疲れ。Vと成績見させてもらった」
HRの時間、相澤先生が教卓に立ちそう切り出した。
爆豪くんと緑谷くんにそれぞれ苦言を差したのち、先生は今の時間で学級委員を決める様ようにと指示をだした。
瞬間、みんな勢いよく手を挙げ始める。
普通なら雑務という感じで委員長の座を奪い合うなんてことはないと思う。
でも、ここヒーロー科では集団を導く役割、つまりトップヒーローの素地を鍛えられる役となる。
「あれ、廻はあげねえの?」
後ろの席の上鳴くんが私一人だけ手を挙げていないことに気が付いた。
一度だけ頷くと「そ?挙げても損ないのに」と不思議そうに言った。
得とか損とかの問題ではない。
純粋にやりたくないだけ。
それだけのことだ。
結局、委員長は緑谷くんに決まって副委員長は八百万さんに決まった。