第4章 戦闘訓練
「こっからだ!!俺は……!!こっから……!!いいか!?俺はここで一番に"なってやる!!!"」
一番になる、じゃなくて、一番になってやる……。
はじめての挫折に決意という名の導火線に火が付いた。
涙を浮かべながら叫ぶ爆豪くんは、あの日のことを思い出させた。
そうだよね、爆豪くんは昔からそうだった。
小さい頃からそうやって前だけ見て強くなっていった。
その姿に私は―――……。
「爆!豪!!少年!!!」
空気を裂くような声が響き渡った。
先ほどまで張りつめていたのに嘘のように晴れ渡る。
オールマイトの明るさがそうさせているのか、それとも空気の読めなさがそうさせているのか、わからなかったけどたぶんどっちもだろう。
オールマイトは息を切らしながら爆豪くんの肩に自身の手を置いた。
「言っとくけど……!自尊心ってのは大事なもんだ!!君は間違いなくプロになれる能力を持っている!!君はまだまだこれから……」
「放してくれよオールマイト。歩けねえ。言われなくても!!俺はあんたをも超えるヒーローになる!」
落ち込んでいた爆豪くんを慰めようとしたらしいオールマイトだったけど、爆豪くんは既に立ち直っていた。
ずっと落ち込んだままなんて爆豪くんらしくないもんね。
小さくなっていく爆豪くんの背中を私は追いかけた。