第4章 戦闘訓練
講評では、ヒーローを翻弄し時間を稼いだことを褒められたけどその反面、武器の扱いが未熟であることや時間があったからこそ仕掛けができたこと、現場では通用するか怪しいと言われた。
確かに、今回は設定があらかじめ決まっていて場所も屋内と限定されていたから作戦は有効なだけであって、実際はもっと複雑だろうし索敵に長けたヒーローがいたら手品なんて通用するはずもない。
もっと視野を広げて目先のことばかりでなく、先の未来を見据える力を身につけないといけない。
こうして、私たちの初めての訓練は緑谷くん以外大きな怪我をする人はおらず、無事に幕を閉じた。
そして放課後―――。
授業が終わるなり、みんな午後の訓練の話題で盛り上がっていた。
でも盛り上がるだけじゃなくて、ちゃんと自分の個性に向き合ったりだとか対応の仕方とかそう言った反省もしてて、さすがだなと感心してしまった。
と同時に、私の視線は爆豪くんへと向いた。
いつもなら強きな姿勢で自分の個性に対して自信満々な姿が容易に想像できるのに、今の彼は訓練が終わってからもずっと静かだ。
自尊心を傷つけられて落ち込んでいるのか、それとも……。