• テキストサイズ

【僕のヒーローアカデミア】雨上がりの詩は星の色

第4章 戦闘訓練






時計が回る。
武器が生成される。
カチッと針が数字を差す。

もう一度言おう。
私の個性は"ギャンブル"。
ランダムで武器が具現化されるため、狙った武器が出せない。

「…………最悪」

生成された武器は、この場には不釣り合いのフックショット。
武器と言えば武器だけどさ、せめて弓か刀がよかった……。
とはいっても、使わないと次の武器は生成されない。
私はダークシャドウに向けてフックショットを放つがきっと弾かれてしまうだけだ。
折角作った間合いが台無しだよ。

そう思った時だった。
オールマイトの声が耳元で響いた。
それはタイムアップを告げるもので、瀬呂くんたちの方をみると、グッと親指を突き立てていた。

「よっしゃああああ!」
「まじで!?まじで勝ったのか!?」
「踏影……」
「相手が強かったな」
「もう少しだったのに、悔しいわね」

そっか。
勝ったんだ、私。
なんかあまり実感がわかない。
でも、きっと、あのままだったら負けていたのは私たちだ。
よかった、タネを仕込んどいて。
じゃないと、タイムアップまで粘れなかった。

「ちゃん」
「蛙吹さん」
「梅雨ちゃんと呼んで。講評の時間よ。戻りましょう」
「うん」

ケロケロと笑みを浮かべるあす……梅雨ちゃんの声にぼんやりとしていた意識が戻って来た。


/ 117ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp