第4章 戦闘訓練
「お疲れ様」
廊下を歩いていると、切島くんと鉢合わせした。
どうやら周囲の確認も兼ねて近場を見回りしていたらしい。
1人で大丈夫かなって心配している私の気持ちを読み取ったのか切島くんは「アイツは大丈夫だよ」と明るい笑みを浮かべた。
「てか、ヒーローは?」
「今頃私が仕掛けた罠に引っかかってると思う」
「………罠?」
「うん。でも、大怪我するようなもんじゃないよ。お花が降ってきたり爆竹が鳴ったり目くらまししたり。そんな感じ」
「なんか、オレたちが出る幕じゃなかったな」
乾いた笑みを浮かべる切島くんだったけど、そんな長く足止めはできない。
子供騙しもいところの仕掛けばかりだ。
勘のいい蛙吹さんなら、すぐにでも対策を立ててこの部屋にやってくるだろう。
「核兵器部屋に彼らが来たら、切島くんと瀬呂くんの出番だよ。私はサポートに回るね」
「おう!!」
部屋に戻ると、私たちの姿を見た瀬呂くんが白い歯を見せて笑った。
どうやら私の安否を心配してくれていたらしい。