第4章 戦闘訓練
講評の時間、爆豪くんは驚くほど静かだった。
八百万さんが指摘した行動の問題点は正論で、いつもの爆豪くんなら怒っているはずなのに、ただ黙ってそれを聞いていた。
落ち込んでいるんだろうか。
なんて、声をかけたらいんだろう。
私が落ち込んでいる時は、声を掛けてもらっているのに。
全然優しくないけど。
考えても最適解は見つからなくて、私は爆豪くんに励ましの言葉一つかけることができなかった。
次は轟くん・障子くんチームと、尾白くん・葉隠さんチームが対戦だったけど、それは轟くんの"個性"で瞬時に終わってしまった。
「強すぎだろ……」
誰かが呟いた。
確かに、強い"個性"だ。
今の段階で彼に勝てる人はいないんじゃないかと思えるほど。
「さて、次のチームは……Hコンビが"ヒーロー"!!Jトリオが"ヴィラン"!!」
「よしっ!!作戦練ろうぜ!!」
やる気を見せている切島くんは足早にモニタールームを後にした。
他のチームを観察している間、彼らの"個性"と私の"個性"は話し合っていた。