第4章 戦闘訓練
――廻side――
雄英の授業は、午前は必修科目・英語等の普通の授業が多くなっている。
今はプレゼント・マイク先生の英語の授業を受けているんだけど、勉強が元から苦手な私はついていくだけで精一杯。
あと、前の席の尾白くんの尻尾が時折揺れているのが見えて、そっちに意識が持って行かれてほとんど授業の内容が頭に入ってこない。
お昼は大食堂で一流の料理を安価で食べることができる。
この日私は、オムライスを食べた。
そして午後の授業はヒーロー基礎学。
ヒーローの素地をつくるために様々な訓練を行う科目。
朝からみんなずっとそわそわしていた。
ヒーローっぽい授業ということもあるんだろうけど、一番の理由はこの授業の担当がNo.1ヒーローのオールマイトだからだろう。
一人だけ画風の違う彼は、るんるんとした足取りで教室に入ってくる。
そして今日の授業内容を教えてくれた。
「早速だが、今日はコレ!!戦闘訓練!!!」
戦闘訓練。
その言葉に、クラスはざわつき始める。
まさか入学したばかりで戦闘訓練だなんて。
ヒーローを目指す私たちにとってこれほど楽しみな授業はないだろう。
「そしてそいつに伴って……こちら!!!」
オールマイトがそう言うと、教室の壁が「ガコッ」と音を立てて動き出す。
隠し扉ならぬ隠し棚と言えばいいのかな。
そこには入学前に送った「個性届」と「要望」に沿ってあつらえたコスチュームが収納されていた。
収納ケースには出席番号が書かれていてとても分かりやすい。