第3章 はじまりの季節
下校時間となり、一斉に学校を後にする生徒たち。
もまた帰ろうと思ったが、緑谷に個性の事を聞こうと教室を見渡したら彼の姿はどこにもなかった。
どこに行ったのだろうと思っていると、尾白が「保健室に行ったみたいだよ」と教えてくれた。
そう言えば、テストが終わったあと先生から何か渡されてたな。
ぼんやりと考えながら「ありがとう」と頭を下げる。
時間がかかるなら先に帰ろう。
明日聞いてみてもいいわけだし。
帰る準備をしていると、の目に爆豪の姿が映った。
誰よりも早く教室をでた彼を追うように彼女もまた教室を後にした。
「爆豪くん」
廊下で名前を呼ぶが爆豪はそれを無視して歩き続ける。
むっとしたは駆け足で走ると制服の裾を掴んだ。
「ンだよ、てめぇ。離せ」
「無視しないでよ」
「朝言った事忘れたんか」
「居候してることは言ってないよ。幼馴染なことは言ったけど」
「ぺらっぺら話してんじゃねェぞ。雛鳥かてめぇは」
「テスト、ビリだった」
「話聞けやゴラ」
「先生にも除籍にするって言われちゃった」
「……雑魚だからな」
「緑谷くん……、個性、あったん……」
「アイツの話はすんじゃねえ!!クソが!!」