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【僕のヒーローアカデミア】雨上がりの詩は星の色

第3章 はじまりの季節






相澤先生は個性を解き、もう一度投げる様に緑谷くんに指示を促す。
緑谷くんはボールを投げる体勢へと入る。
そして、私は自分の目を疑った。
705.3mという記録を叩きだした緑谷くん。
周りはその記録に驚いていたが、私と爆豪くんは記録に驚いたんじゃない。

なんで、個性が……?

幼いころからずっと一緒だったからこそ理解ができなかった。
個性の発言は4歳までと医学的に決まっている。
その証拠に緑谷くんはずっと無個性であることに悩んで苦しんでいた。
その姿を間近で見ていたから知っている。
ありえない、と思っているが、実際目の前で緑谷くんは個性を使った。

「どーいうことだ!!こら!!ワケを言え!!デクてめぇ!!」

爆豪くんは、緑谷くんに近づき吐かせようとするも、相澤先生の布により捕らえられてしまい、それは叶わなかった。
だけど、爆豪の気持ちは痛いほどわかる。

"いいなぁ。かっちゃんとちゃんの個性かっこいいもんなぁ。僕も早く出ないかなぁ"
"個性がでたら教えてね"
”デクがどんな個性でも俺にはいっしょーかなわねーっつーの!”

幼き日の記憶が脳裏に蘇る。
そんな会話をしたのを覚えている。

無個性というのは嘘だったんだろうか。
でも、緑谷くんの性格を考えたらそんな嘘をつくような人には見えない。
なにより、誰よりも個性の発現を待ち望んでいて誰よりもヒーローになりたいと願っていた彼が、いじめられてまでも、嘘をついてまでも隠し通すのかな。



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