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【僕のヒーローアカデミア】雨上がりの詩は星の色

第3章 はじまりの季節






数か月後。
私たちは折寺中学校を卒業し、雄英高校に入学をした。
桜の花びらが風に揺られ舞い落ちる中、爆豪くんと2人で家を出た。

「おい」
「なに」
「間違ってもテメェが俺の家に居候してるなんて言うんじゃねぇぞ」
「なんで」
「バレたら面倒なことになったの忘れたんか、テメェは」

その言葉にハッとした。
中学に入学したばかりの頃。
爆豪くんの家に居候していることをポロっと零してしまったことがある。
瞬間、多感なお年頃の少年少女の悲鳴や奇声が教室中に響き渡った。

居候していると言うだけで「付き合っているのか」とか「どこまで進んだのか」とか下世話な話がはびこったが、キレ散らかした爆豪くんによって鎮火された。

暫くの間、彼らは付き合っていると言う噂が広まってしまった。
そのことを今の今まで忘れていた私は、確かにバレたらあの頃よりも面倒なことになりそうだなと思う半分、いくら多感とはいえ高校生なのだからそれなりに空気は読めるのではないかなとも思った。

でも、それを爆豪くんにそれを言うつもりはなかった。
理由は簡単。
言ったら言ったで面倒だから。

雄英高校に着き、教室の前に来た私は扉のデカさに驚きつつも静かに扉を開けた。
既に教室には何人かの生徒が登校しており、適当に空いている席に座る。

緑谷くんの姿を探したけど、見当たらないからまだ登校していないみたいだ。
もしかしたらクラスが別になったのかもしれない。
そう考え直し、窓の外へと視線を移してぼんやりと物思いにふけった。



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