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【僕のヒーローアカデミア】雨上がりの詩は星の色

第3章 はじまりの季節






その為に、審査員たちは"お邪魔虫"を解き放った。

他の3種のヴィランとは大きさも強度も破壊力も何もかもが桁違い。
圧倒的な脅威が、彼らの前に姿を現した。

一目見て理解してしまう。
"あれ"に敵うわけがない、と。
一目見て理解してしまう。
恐怖には素直に従うべきだ、と。
だから、逃げるしかない。

背中を向けて走り去る受験者たち。
もまた、背を向けて逃げようとし、その脚を止める。

なんで、逃げようとしてるんだろう。
救うために、救われるために、私はヒーローになるって。
あの時のままは嫌だから、そう決めたんじゃないか。

は踵を返し、時計を回した。

何がでても太刀打ちできないかも。
だとしても、圧倒的脅威を目の前にして逃げてしまったら幻滅されてしまう。
一体誰に。
誰かも分からない人間に?
いや、良く知っている人。
その人に、これ以上幻滅されたくない。




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