第3章 はじまりの季節
私の持つ武器の中に、ロボットに有効なものは正直ないと言ってもいい。
それでもこの現状を打破できる武器があるとすれば一つしかない。
こればっかりはギャンブルだからなぁ。
期待しない程度に時計の針を回した。
くるくると何度か回り、針がぴたりと止まる。
「やった!!」
思わず声を上げて喜んだ。
願っていた武器がその手中に収まる。
私の手には4mくらいの長さの戦斧と槍を合わせた万能武器であるハルバードが握られていた。
斬る、突く、鉤爪で引っかける、鉤爪で叩くというように、少なくとも4つの攻撃ができる。
その分、使いこなすのに熟練の技が必要なのだが、私にとってそれは問題視するようなことではない。
次々と仮想ヴィランを斧部で斬り倒し、槍部で突き、鉤爪で足元を叩き潰し、一掃していく。
初めこそ、ポイントを数えていたけど30ポイントを超えてからは数えるのを辞めた。
私の目にはいつしかヴィランの姿だけしか映っていなかった。