第3章 はじまりの季節
会場の中に誰よりも早く突入した私は、まずは現れた仮想ヴィランを一体を銃で撃った。
しかし装甲が硬いのか、銃弾は跳ね返されてしまった。
やっぱり駄目だったか。
一回銃を使った事で、腕時計の針が回る。
行動不能にすればいいと言っていた気がする。
足元の繋ぎ目を遮断すれば動けないはず。
正直、戦闘は苦手、怖い、もん。
でも、怖がってばっかじゃだめだ。
止まった数字は"4"。
日本刀を両手にし、再びそれに立ち向かった。
的確に脆い箇所を狙い、切り込めば、簡単に仮想ヴィランは地面に崩れ落ちた。
この調子で倒していけばいいのかもしれないが、武器は日本刀。
これが人間相手なら有効かもしれないが、今回はどでかい鉄の塊が相手だ。
どうしても日本刀では分が悪いのは明白。
爆豪くんのような圧倒的な戦闘力のある"個性"ではないため、倒すのに時間がかかってしまう。
これではこの試験に合格することは厳しいだろう。
現に、遅れてやってきたはずの他の受験者にポイントを越されている。