第3章 はじまりの季節
プレゼント・マイクの説明が終わると、受験生たちは席を立ちあがった。
試験開始時刻まで30分程時間がある。
持ち込みは自由と言われた実技試験、動きやすい服装に着替える者や、サポートアイテムを装備する者、合格するための準備を各々行っていた。
私もまた、制服から運動着に着替え、カバンの中からサポートアイテムである腕時計を左腕に装着する。
1~12まである数字が武器を具現化させる。
数字はルーレットで決まり、その役割をこの腕時計が果たしている。
「いい数字、出てよね」
私の個性は"ギャンブル"。
自分の意思で数字を操る事はできないため、その場で出た武器を使いこなさなければいけない。
必ず一回は使わないと、ルーレットは反応しない。
どんなに使いづらい物でも使用しなければ次の武器は具現化されない。
つまり二つ以上の武器は出現しないといこと、すべての武器に精通していなければいけないという、非常に扱いづらい力が私の"個性"だ。
あと15分で試験が始まる。
私は、気合を入れ直し会場へと向かった。