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【僕のヒーローアカデミア】雨上がりの詩は星の色

第2章 それは「運命」で「偶然」で「必然」の出来事。







「え、なんで……」

その時、僕の視界に飛び込んできたのは、さっき僕を襲ったドロドロのヴィランだった。
なんで、アイツが。
だってさっきオールマイトがやっつけて……。
もしかして取り逃がしたとか……だとしたら、僕のせいだ。

ヒーローがたくさんいるのに動けないのは、あのヘドロに捕まっている中学生がいるかららしい。
僕のせいで活動時間に限界のあるオールマイトは今動けない。
どうしよう、有利な"個性"を持ってるヒーローを待つしかないのか。
その間、捕まってる人はアレに耐えなきゃいけないなんて。

ごめん、頑張って……。
すぐに、すぐにヒーローが来てくれるから。
だから、もう少しだけ……!!

ただ、そうやって祈ることしかできない僕だった。
でも、見てしまった。
ヴィランに捕まっている人の正体を。

気付いたら、僕は飛び出していた。

「馬鹿ヤローーー!!止まれ!!止まれ!!!」

制止の言葉など、聞こえてなかった。
なんで飛び出したのかさえも、ちゃんと理解できていなかった。

「何で!!てめェが!!」

足掻いて、ただ足掻いて。
何でって聞かれても分かんないよ。
足が勝手に動いたんだから。
何でって僕自身が知りたいよ。
色々、理屈はあったんだろうけど。
憧れ、希望、夢、現実。
覆したかったのかもしれないけど、この時の僕の頭の中は、そんなそんな理屈なんてもの、どうでもよかった。

ただ、かっちゃんが―――。

「君が、救けを求める顔してた」

ただ、それだけ。



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