第2章 それは「運命」で「偶然」で「必然」の出来事。

授業が終わり、今朝起きた事件がニュース記事になっていることを確認した僕は、家に帰ってノートにまとめなきゃいけないな、なんて考えていたら、かっちゃんがノートを奪って爆破し、そのまま窓から投げ捨てた。

「一線級のトップヒーローは大抵学生時から逸話を残してる。俺はこの平凡な市立中学から初めて！唯一の！"雄英進学者"っつー"箔"を付けてーのさ。まー完璧主義者なわけよ」

完璧主義者というよりもみみっちいだけじゃないか、なんて言葉は飲み込んだ。

「つーわけで一応さ。雄英受けるなナードくん」

肩に置いた手からは爆破するための煙が出ている。
いつでも攻撃ができるという脅迫だ、これは。
言い返すことなんてできるはずもない。
僕は小さく縮こまり身体を震わせていた。

「そんなにヒーローに就きてんなら効率良い方法あるぜ。来世は"個性"が宿ると信じて……屋上からのワンチャンダイブ!!」
「爆豪くん」

その時、教室の外から声が聞こえた。
僕もかっちゃんも声のした方に顔を向けると、そこにはちゃんがいた。

「ンだよ、てめェかよ」
「さっきのは言いすぎだと思う。それで緑谷くんが本当に死んだらどうするの？」
「はっ！クソナードにそんな度胸あるわけねーだろ！邪魔だ、どけ」

確かに僕に死ぬ度胸なんてないけど……。
でも、もしその度胸があったらどうするつもりだったんだ。