第2章 それは「運命」で「偶然」で「必然」の出来事。
それから月日が経って、中学3年となった僕達は進路を決める大事な時期に差し掛かっていた。
雄英高校を志望すると言うことがクラスメイトにバレた瞬間、目の前に火花が散った。
これはかっちゃんの"個性"だ。
「"没個性"どころか"無個性"のてめェがあ~、何で俺と同じ土俵に立てるんだ!!?」
掴まれた胸倉が首を絞めて苦しい。
かっちゃんと張り合う気なんて初めからない。
だけど、挑戦してみたかった。
"無個性"の僕がどこまでやれるのかを。
証明してみたかっただけなのかもしれない。
"無個性"でもヒーローになれるって。
あとは、許されたかっただけなのかもしれない。
僕のような人間がヒーローを目指すと言うことに。
それでも、世間は、周りは、かっちゃんは、許してはくれない。
「なァにがやってみないとだ!!!記念受験か!!てめェが何をやれるんだ!?」
きっと、世間一般ではかっちゃんの言い分の方が正しくて、無謀なことに時間を費やそうとする僕の方が間違いなんだろう。
でも、間違いだったとしても。
僕はヒーローになりたい。
どうしようもない僕の夢。