第6章 雄英体育祭
私は弓矢を握り、思い切り障子の腕に目掛けて投げた。
梅雨ちゃんや峰田くんを狙うと護るために装甲が厚くなる。
けど、それは障子くん自身も同じはず。
馬が崩れたら終わりだもんね。
弓を弾くために、腕、使わないとだよね。
私の意図を汲み取った骨抜くんが障子くんの足場を崩した。
沈みこむ体に焦ったのだろう、障子くんの腕の中に隠れていた梅雨ちゃんたちが姿を現した。
「おいおいおい!!こっちにくるぞ!!」
「とりあえずここから逃げましょう」
「そうしたいが、足が……」
身動きが取れないうちに、鉄哲くんが峰田くんからハチマキを奪い、私たちのポイントは1125ポイントとなり、現在3位に躍り出た。
「やったぜ!!」
「すげえよ、廻!!よく思いついたな!!」
「この調子でポイント重ねていこう」
鉄哲くん、泡瀬くん、骨抜くんの言葉に私は強く頷いた。
しかしそれは束の間のことだった。
近くにいた心操くんに声を掛けられ受け答えをした瞬間、身体が硬直したように動かず、記憶も曖昧で気づいたら私たちは0ポイントという形で騎馬戦を終えた。
「一体何が……?」
「わかんねえ。わかんねえけど、次の試合には出れねえってことは確かだ」
心操くんの"個性"なんだろうけど、一体どういう"個性"なんだろう。
考えてもわからない……。