第6章 雄英体育祭
作戦会議が終わったところで、プレゼントマイクのアナウンスが場内に響き、いよいよ騎馬戦が始まる。
騎馬である鉄哲くんが「大丈夫か?」と声を掛けてくれて、その気遣いに嬉しくなった。
プレゼントマイクのスタートの合図と同時に、全員が緑谷くんに向かって走る。
1000万を勝ち取り死守すれば1位は確実。
だからこそ、無防備となっている他の組のハチマキを狙う作戦だ。
骨抜くんが前を走る騎馬の足元を柔らかくし、バランスを崩したところでハチマキを奪う。
私は事前に出していた武器で、鉄哲くんに伸びてくる手を排除していく。
タ節棍が出てくれたのはよかった。
暫くはこれで凌ごうかな。
騎馬戦が始まってまだ5分も経っていないのに、会場は混戦状態に包まれる。
轟くんや爆豪くんには挑まないと、最初の作戦の時に決めていた。
今の私ではあの二人には敵わないから。
それで足を引っ張りたくないと言ったら、3人は頷いてくれた。
鉄哲くんも了承してくれるとは思わなかったけど。
その時、鉄哲くんの顔の横を長い何かが横切った。
これは、梅雨ちゃんの……。
後ろを見ると、障子くんの腕の中に梅雨ちゃんと峰田くんが身を隠していた。
時計を回すと弓矢が生成された。
両手使わないといけない武器とか……!!
苛立ちが顔に出てしまったが、これを使わない限り次の武器を生成することができない。