第6章 雄英体育祭
「俺、B組の泡瀬洋雪。こっちが鉄哲徹鐵。で、骨抜柔造」
泡瀬くんに紹介された二人は軽く会釈をする。
"個性"は泡瀬くんが「溶接」、触れたモノ同士を分子レベルで結合させる。
鉄哲くんが「スティール」、自らの身体を鋼鉄のように硬くする。
骨抜くんが「柔化」、触れたものを地面ですら柔らかくすることができる。
「チームバランスすごくいいね。泡瀬くんと骨抜くんの"個性"で足止めして、鉄哲くんがその隙にハチマキ取ってくれれば1位になれる気がする。しかも鉄哲くんは攻撃されても個性で防げるし……」
「あんま褒めんな。こいつそういうの慣れてないから」
泡瀬くんが言ったとおり、鉄哲くんを見ると若干頬が赤くなっていた。
褒められ慣れていないのかな、こんなにすごい"個性"なのに。
「それで、廻さんの"個性"は?」
「私は"ギャンブル"だよ。1~12の数字がルーレットで武器が具現化するの。だから、それまで何がでるかわからないんだ」
「へぇ。おもしろい"個性"だね。何が出るかわからないっていうのは相手にとっても未知数だから警戒すべきポイントだよ」
骨抜くんが目じりを下げて笑った。
初めてそんなことを言われた。
確かに、相手にとってもギャンブルなんだ。
出た武器によって対応を変えなくちゃいけない。
考えたこともなかった。