第6章 雄英体育祭
それでも、A組の生徒何人かはすぐに対応して氷の足場を突破していく。
私もなんとか置いていかれないように必死になり、轟くんやA組のみんなの後を追いかけた。
その時だった。
目の前に巨大なロボットが現れた。
「あれは……」
入試の時にいた仮想ヴィランだ。
それも一体だけではない。
何十体という0ポイントヴィランが行く手を阻む。
障害物がまさかこんなものだなんて誰が予想できただろう。
サポートアイテムの時計を回し、数字が"2"を示した瞬間だった。
轟くんが氷結でロボットヴィランを数体凍らせた。
その間をなんなく通り抜ける轟くんに続こうとする他の生徒たちだったが、バランスの悪い凍ったそれらはピキピキと音を立てて、大きな音とともに崩れた。
何人か下敷きになった気がするけど大丈夫だろうか、という心配はあるものの、私も視線の先のヴィランを倒すことでいっぱいいっぱいだ。
こんなのまともに相手にしていたら一気に下位だ。
心苦しいけど、後続に押し付けよう。
ロボットヴィランが攻撃をする時にできる隙を見つけ、掻い潜っていく。
爆豪くんや常闇くん、瀬呂くんなんかは自分の個性の得意を活かして下ではなく上から突破していく。
「……その手があったじゃん」
思いつかなかった方法に、唇を噛みしめる。
もっと頭を使わなきゃ……!!