第6章 雄英体育祭
校長先生と言えば、あの右目に大きな傷のある、ネズミのような犬なのか熊なのか、よくわからない姿をした人物?動物だよね。
「やぁ、廻さん。校長の根津さ。好きなところに座っておくれ」
根津校長は相澤先生の肩に飛び乗るとなぜか捕縛布の中に潜り込み顔だけを出した。
なんでそんなところに……。
寒いのかな。
なんて私の疑問に答えてくれる人はまずいない。
「爆豪くんのお母さんから今朝電話があってね。職員全員には伝達済だよ」
「あ、りがとうございます……」
「課は違うが申立ても早く受理されるよう塚内さんにも話はしてある」
「あ、はい……」
私の知らないところで色々話が進んでいる……!!
これだけの為に校長室に呼び出されたの?
思考が顔に出ていたのか、それともエスパーなのか相澤先生が「なんで呼び出されたのかわからない顔をしてるな」とそう言った。
「いくら警備を強化したところで、雄英体育祭は全国放送だ。そうなるとお前が雄英の生徒だってバレることになるだろう。爆豪の家に居候していることだって突き止められたんだ」
爆豪くんと同じこと言ってる……。
「それにヒーローだけじゃなく一般客も観に来る。その中に居たらどうする」
確かに、そこまで考えていなかった。
つまり先生が言いたいことって……。