第6章 雄英体育祭
――廻side――
USJ襲撃事件の次の日。
臨時休校となり生徒は極力外に出ないようにとお達しを受け、私たちは家で大人しくしていた。
爆豪くんは部屋で勉強や筋トレでもしているのか、必要最低限以外部屋から出てくることはなかった。
私はというと、リビングでぼんやりしていた。
宿題に手を付けたくてもなかなか付けられない。
というか、昨日と同様問題が解けなくて諦めた。
爆豪くんに教えてもらいたくてもお願いチケット使っちゃったし。
緑谷くんに教えてもらおうかな、って思ったけど、ケガしてるし安静にしていなきゃいけないみたいだから、迷惑はかけられない。
他のクラスメイトに聞こうにも連絡先交換していないから、連絡できない。
どうしよ、近いうちに私本当に除籍になるんじゃないかな。
そんな事を考えていると、固定電話が大きな音を立てて鳴った。
光己さんも勝さんも仕事でいないから、電話を取るのは必然的に私となる。
ソファから立ち上がり、「もしもし」と受話器を耳にあてた。
瞬間、私の身体は硬直した。
昨日ヴィランと対峙した比ではない。
頭の中が真っ白になって、上手に呼吸ができない。