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【僕のヒーローアカデミア】雨上がりの詩は星の色

第5章 遭遇





緑谷くん以外の生徒は一度教室に戻り、今後のことをミッドナイト先生から伝えられる。
他の学科や学年は既に臨時で帰宅させたようで、今この校舎内にいるのは1年A組と教師陣と警察だけだった。
校舎内のセキュリティを確認する警察の声を聞きながら、私達はミッドナイト先生に耳を傾ける。

「他の先生や校長と話し合って、明日は臨時休校となりました。保護者の方にはこちらから説明をします。みんなの口から伝えてもいいけど、あまり口外しないように。いいわね」

誰も何も言わなかったけど、先生はそれを肯定と受け取って静かに微笑んだ。

「相澤先生のことや緑谷くんのこと心配かもしれないけど、自分たちのことも心配するのよ。怖い思いをしたのはみんなも一緒なんだから」

そう言ってミッドナイト先生は教室を後にした。
先生が出て行った後、暫く誰も席を立とうとしなかった。
みんな何か思うことがあるんだと思うけど、それを口にしていいのか分からないと言った様子だった。
先に席を立ったのは爆豪くんで、その次は轟くんだった。
彼らは何も言わずに黙って教室を出て行って、彼らに続くように他の人達も席を立った。
私はというと、あの男の言葉が頭にこびりついてなかなか動けずにいた。

"ライフルなんて危ないもんで俺を撃ったんだ"
"こんなもん心臓に当たってみろよ、今頃俺はあの世だ"
"他が為に振るう暴力は美談になるのか?"
"同じ暴力がヒーローとヴィランでカテゴライズされ、善し悪しが決まる"
"おかしいじゃないか"

わかっている。
これは戯言だって。
でも、もし標準がずれていたら、当たり所が悪かったら、死んでいたかもしれない。
制圧するためだから仕方ない、ってきっとみんないうんだろうけど、そのためなら命を奪ってもいいのか。
ヒーローならそれが許される?
ヴィランなら許されない?
その違いは……。



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