第5章 遭遇
その後、警察が到着し現場検証が始まった。
事情聴取は後日また日を改めてと、刑事の塚内さんが言った。
緑谷くんはなぜか最後の方にモヤモヤに向かって飛び出し、両脚に重傷を負った。
なんであの時飛び出したんだろう。
オールマイトを助けるため?
なんのために?
聡明な彼にしては浅はかな行動に疑問が残るけど、助けたいという気持ちが先行したんだろうか。
だとしたら緑谷くんらしい。
「あの、刑事さん」
「なんだい?」
「相澤先生は?」
病院に搬送された相澤先生の容体を聞くと、両腕粉砕骨折、顔面骨折をしているようだった。
脳には損傷はないものの、眼窩底骨が粉々になり眼に何かしらの後遺症が残るかもしれないとのことだった。
後遺症って、"個性"にも影響でるんだろうか。
不安が渦巻いてお腹の奥が苦しい。
13号先生やオールマイト先生は命に別状はないようで安心した。
緑谷くんもリカバリーガールの治療だけで充分ということで今保健室にいるらしい。