第5章 遭遇
訓練場の扉が大きな音を立てて勢いよく開いた。
「もう大丈夫!!私が来た!!」
彼の言葉に、姿に、どれだけ救われただろう。
オールマイト先生の登場にクラスメイトは涙を流したり、声をあげて喜んだりしていた。
不安の中戦っていたからこそ、彼がここに来てくれたという事実だけで安心できる。
本当に「大丈夫」だと思える。
私もまた安心感を覚えた。
同時に、引き金を引いた手が震えているのを、体中に血が巡って行くのを感じた。
ああ、私、今の今までちゃんと息、できていなかったんだ。
そのことに漸く気づき、握っていたライフルは音を立てて地面に落ちると魔法のように消えた。
オールマイト先生と目が合った。
と思った時には私は訓練場の入口へと移動していた。
先生に抱きかかえられたのだと気づくのに数秒の時間がかかった。
速すぎ……。
私達を安全な場所へ移動させたオールマイト先生は、化け物に向き直り、攻撃を繰り出す。
しかし、まるで効いていないのか化け物は表情一つ変えない。
それどころか少し押されているように見えるのは気のせいだろうか。
バックドロップで動きを封じようするも、モヤモヤの"個性"で逆に化け物に動きを封じられてしまったオールマイト
もしこのままモヤモヤを閉じられたら、彼の身体はバラバラになってしまうんじゃないか。
そしたらオールマイトは……。