第1章 オルカ寮生徒と編入試験
ルドはいつも、何を考えてるのかわからないわ。
あの子の研究はわたしでも驚くほど最先端を行ってるの。
実力は本物だし、志も強いから決して人を魔法で傷つけるようなことはしない。
周りに無頓着で、移動中なんかはぼーっとして転んだりぶつかっちゃったりおかしな子だけど、何かをするとなると集中力が凄まじくて失敗しないのが不思議だわ。
でも、危なっかしいところもあるから私の一存で今まであの子のことを見守ってるけど、未だに謎が多すぎる。
でも、いくつか知ってることがあるの。
それは彼女がイヴル・アイとして最も強い能力を保持することと、
強い魔力を保持しているのにもかかわらず、決して他者を傷つける魔法を使わないこと。
あの子が優しすぎる故に、沈黙を貫いてること。
そんな彼女から目が離せない私がいること。
あぁ…青春の春ね…
多分わたしは恋愛とかそんなんじゃなくて、
純粋にあの子を人として愛しているの。
まさにビックラブ!!
マカロンは女子寮に向かって歩いていく、自分に背を向けているルドヴィカをいつまでも見守っていた。