第2章 出会いと別れ
「波と言ったか。お主ワシの剣術を学んでみんか、行く当てもないのだろう。」
正直意外だった。でもこんな高価なことはそうない。
「お願いします!」
断るはずがない。だがこの道を選べば主要キャラとの接触は免れない。覚悟を決めないと。
「ところでさっきからこっちをチラチラ見ているあの子は誰ですか?」
先ほどからずっと襖の隅からこちらの会話の様子を疑っている。おそらくさっきの紺色の少年だろう。
「義勇こっちに来なさい。」
義勇、冨岡義勇か、あぁとても綺麗な容姿だな。だけどコミュ障なところは変わらないようだ。
「この子は冨岡義勇ワシの弟子だ。よろしく頼む。」
ふーん。私より年上なのに妙にいくじなしに見える。あそうか、私は中身は17か。不思議な感覚だな。
「よろしく。」
私が挨拶をすると少し照れたように挨拶を返してくれた。しばらくするとまた眠気が襲ってきて私は深く眠りについた。
次に起きた時には人が2人増えていた。すると綺麗な赤髪をした男の子が話しかけてきた。
「あっ起きたか。俺は錆兎、こっちは真菰って言うんだ。よろしくな。」
同じ年代の女の子が嬉しいのか少し照れ気味に真菰は挨拶をしてきた
「よろしくね」
不覚にもときめいてしまったのは内緒。
それからしばらくして私の傷は癒えて三人と共に修行が始まった。
鱗滝さんの訓練はそれはそれはきつく基礎体力は今までの経験でついていたものの、到底耐えられるものではなかった。
「うぉぇろろろろ、しんどいうぉぇ、義勇、、、大丈夫?」
「うぉえろろらろ、無理かもしれない。僕めまいがしてきた。」
義勇との距離はとても縮まっていた。コミュ障といえど拗らせてはなかったためすぐに仲良くなることができた、友達というよりかは兄弟に近かった。
「錆兎と真菰はすごいな」
私がそう言うと
「そんなことない」
といつもと変わらない表情で真菰が答える。実際この2人はすごい。私には到底辿り着けないほどの瞬発力の良さ、そして頭の良さ全てがハイレベルだ。もし生きてたら柱にはすぐなれただろうな。生きていれば。そう、この2人は死ぬ。あの手鬼に殺される。それも残酷に。でも私にはどうしようもできない。ただ時の流れを待つしか。