第2章 出会いと別れ
微かに恵理さんがよく作ってくれた山菜のスープの匂いがする。あれ!?恵理さん!なんで!
「何言ってるの。いいからさっさと食べる!」
「そう怒ってやるな。ほら早く食べよう」
明宏さん。2人とも生きてたんだね!良かった!
「私達が生きてる?何言ってるの」
「お前のせいで死んだのに。」
ハッ!
目を覚ますと紺色の髪の毛をした男の子が私を覗き込んでいた。
「うわぁ!!」
私が起きたことに驚いたようだ。そしてすぐさま誰かを呼びに行った。すると奥の方から赤い天狗の面を被った老人がでてきた。おそらくこの容姿鱗滝さんだろう。
「起きたのか。お主は3日ほど寝込んでいたのだぞ。」
包帯が綺麗に巻かれていた。でも全然痛くない、、、なんで、もしかしてこの体、、、全然気が付かなかった。これは好都合だ。
「あの、助けていただきありがとうございました、私と一緒にいた女の人は、」
ほんとは聞かなくったって結果はわかっていた。でも信じたくなかった。
「あの夜ワシはある用事であの山を街から登っていたのじゃがその途中で男が倒れていた。辛うじてまだ息はあったがたすからないほどの重症だった。その男がワシに山を登っていくと子供と妊婦がいる、助けてくれと言い残して死んでしまった、」
明宏さんだ。明宏さんも、クソッなんでっ
「それでワシがお主の家に着いた時にはすでに妊婦は息をしていなかった。お腹の赤子も、、、、そしてその隣にいたお主はまだ息をしていたのでなうちまで連れ帰ったのだよ。」
そうだったのか、こんなところで鬼滅の登場人物に会ってしまうとは、しかも助けられて、あぁますます現実だと言うことを突きつけられる、、、わたしはこの世界の人間なんだ。
「そうだったんですね。ありがとうございます。」
鱗滝さんは私の横に座り少し気まずそうに聞いてきた
「お前さんはなぜあんな状態になっていたのだ?」
私は話せるとこだけ話した。だけど襲われた鬼が無惨だったこと、私がこの世界の人ではないことは伏せて。でもおそらくは私が何かを隠していることは気づかれているだろうけど、鱗滝さんなら優しいから、大丈夫だろう。
「そうだったのか。お主傷が治ったらどうする、」
復讐、、、、最後に恵理子さんが言い残していた
「鬼を殺す。」
必ず殺してやるそれが恵理子さんの望みだから