第2章 曰く付きのラブホテル MTC&BB!!!
さて、そろそろ寝るかと、
テレビを消し、ベッドサイドにある常夜灯だけを付ける。
理鶯は広いソファーで、
銃兎はベッドで就寝を取る。
時刻は4:00を過ぎた頃。
銃兎は違和感を感じずには居られなかった。
目が開かない。体が動かない。
声も出せない。
耳だけが確かに何者かの声を拾う。
それは理鶯も同じだった。
ただし、理鶯は異変に気付き、
起き上がった途端、
体だけが動かなかった。否、動かせなかった。
銃兎が寝ているベッドの周りを
6人、7人。いや10人は居るだろう。
何かをしきりに唱える。
何が起きているかわからない銃兎は
目だけでもと思った途端、
あっさり目を開ける事が出来た。が、
開けなければよかったと後悔することになる。
(なんだ...こいつらは...!!)
男女それぞれ自分の方を見ている。
血走った目、こけた頬、割れた色のない唇
白だったかも怪しい、汚れたローブ。
それらは何かを唱え終わり、拍手をしだした。
何かがおかしい。いや、既におかしいのだが、
拍手に違和感を感じる。
パチパチという音ではなく、トントンと言う音が正しい。
(裏拍手...!?)
手の甲と手の甲で拍手をしていたのだ。
それが終わったかと思えば、
奴らはぐいっと顔をのぞき込んできた。
一人の女が
「貴方に救いを... 」
そう囁き、首元に手が伸びる。
「やめろ!!」
理鶯の怒鳴り声が聞こえたのを最後に銃兎は気を失った。
体が動かず、声も出ない理鶯は
銃兎の身に起きていた一部始終を見ていた。
まるで悪い夢を見せられているようだとも思ったが、
首を絞められそうになる銃兎を見て、
怒鳴り声を上げた。
何が条件で声が出るようになったか、体が動くようになったかはわからないが、
件の奴らが消えたと同時に気を失った銃兎を
駆け足で見に行く。
眠ってるだけのようで安心したのもつかの間。
先ほどの正体は何か。左馬刻の悩みの原因に直面し、
どうするべきか悩んだ。
ふと、山田三郎が強い力を持った占い師のことを思い出す。
銃兎をお越し、急いでこの部屋を出て、左馬刻に打診することを決意した。