第2章 曰く付きのラブホテル MTC&BB!!!
「...出んだよ。」
言い淀んでいた左馬刻が重い口を開け呟いた。
「出る...とは?」
「足がねぇーっつう、あれだ。」
「ふむ。幽霊か。」
「まさか、そんなことを信じてるのか?」
苦笑いを溢す銃兎に、理鶯が透かさず声をあげた。
「その類いの物は、小官にも覚えがある。
小官でも唯一対処が出来ない存在だ。」
「理鶯まで...」
「銃兎。テメェの言いてぇこともわかる。
実際、ここに寝泊まりするまで信じてなかったしな。」
「一体何があったんだ。」
説明すんのも、思い出すのも気持ちわりぃ。
そう思った左馬刻は何かを思いついたように
顔を上げる。
「とりあえずよー、テメェらも泊まってみろや。
そしたら説明されるよりも、理解が出来んだろう。」
「はぁ?何が悲しくて男二人でラブホテルなんかに泊まらなきゃならないんだよ!」
「銃兎。百問は一見にしかずという。
チームメイトが悩んでいる以上、理解し、解決してやるべきだと思うが。」
「っ...わかりましたよ...左馬刻、こいつは貸しだからな。」
「わーってるっての。んじゃ、2名様ごあんなーい。」
ラブホテルの受付に着くと
左馬刻は受付に置いてある電話を取る。
「よぉ。俺だ。101号室、空いてっか?まぁ、埋まるわけねぇだろうがな。」
部屋の扉を開けて貰ったのか、
「その奥の階段を降りて、すぐだ。また後でな。」
そう言い残し背を向けて去って行った。
「101以外は一階にあるのに、ここだけは地下...」
扉の前で銃兎が考え込むのを横目に、
理鶯は部屋の扉を開ける。
「ふむ。左馬刻が改装したと言っただけはあるな。
とても清潔にされている。」
中に上がり周りを見渡す。
「本当ですね。この空気清浄機も最新だ。テレビもかなり大きいですね。」
気が乗らないという雰囲気も、テレビをつけ、
映画のバリエーションを見てあっさり引っ込む。
「左馬刻が後でと言っていたな。
一泊するとなれば、明日ではないのか?」
「さぁ。いつものことだろ?」
そう言いながら映画の選別を行う。
風呂を済ませ、映画を見ながらルームサービスで食事を食べ、
「最近のラブホテルは食事も本格的ですね。」と
喜ぶほど、なんだかんだ各々の時間を楽しんでいた。