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ゆめゆめ忘れることなかれ

第2章 曰く付きのラブホテル MTC&BB!!!


ヨコハマの某所。
ピンクや紫と光るネオン街は
ヨコハマの中でも栄えてるラブホ街。
ここ最近、碧棺左馬刻はあることに頭を悩ませている。
見るからにげっそりした様子の彼に
千年塩の調達に出た毒島メイソン理鶯がたまたま居合わせ、心配の眼差しを向ける。

「左馬刻、体調が優れないのか。
生憎、今は小官特性のエナジードリンクはベースキャンプに置いたままだ。」

「いや...そうじゃねぇが、なんつーか...」

歯切れの悪い返答に違和感を覚える。

「何かあったのか?」

「あー。この辺りは見ての通りラブホ街なんだけどよ。
うちで所有してるホテルも何棟かあんだわ。
で、三ヶ月前にもう一棟買い取ったんだがよ...
ほら、あの出っ張った看板、見えるか?」

指さす方向を見てみるが、何の変哲も無い、むしろ新しいと言うのがすぐに見て取れるように思う。

「あのホテルか。それがどうかしたのか?」

「この辺は激戦区っつっても、
土日になるとどこも満室でよ。
それでも差を付けんのに
昭和漂う昔ながらのラブホから今時の綺麗なラブホに改装したんだが...」

「客が入らないのか?」

「あぁ...。」

「料金が高いのか?」

「いや、周りと大差ねぇよ。っつっても1000円から2000円くらいは高くなる部屋もあるにはあるが、
最新のもん導入してっからむしろ安いくれぇだ。」

「ならなぜだ。」

変わらず歯切れの悪い左馬刻に疑問が増すばかりだ。

すると聞きなじみのある声がする。

「ここに居たか。理鶯も一緒なんですね。」

「おう。なんかわかったか?」

何かを調べて貰っていた様子だが、理鶯にはまだ何もわからず、首をひねりながら話を聞く。

「あぁ。今から40年ほど前に、
このホテルの一室で殺害された事件が3件ほどあがっていたんだが...
これが当時の部屋の写真だ。」

壁に飛び散った血も当然気になるが、
それよりも左馬刻や理鶯が気になったのはベッドサイドに置かれている殴り書きだった。

「私に救いを?んだこりゃ。」

「ほら、20年ほど前に解散したが、
過激派の宗教団体。覚えてないか?しきりにニュースになってただろう?」

「あー。なるほどな。」

「して、それと左馬刻が悩んでいることと何の関係がある。」

「それは私も気になってましてね。どうかしたんですか?」
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