第1章 依頼者に依頼する。BB!!!
山田二郎side
この人を見た瞬間にわかった。
レベルがちげぇってことが。
兄貴にはバレたくねぇ。
でもそれ以上に三郎や兄ちゃんを守れるならって
期待すらしている。
そしたら、当てられた。
当然それくらいのことはしてのけるだろうと、
驚かなかった。
「なんで、三郎には霊...ってのが...憑くようになったんだろう...」
『二郎くんは元々見える体質だし、一郎くんは見えないけど、二郎くんも一郎くんも寄せ付けない体質なんですね。三郎くんに憑いても、それは長居をしない。
余程のことが無い限り。
一郎くんは見えない代わりに勘が働いて、
ここには行かない方がいいとかこの人はやばいとかそういうのわかったりしますよね。』
「そうッスね...」
『三郎くんも元々寄せ付けない体質だった。』
だった。そう言った。
三郎が10歳のときがキッカケってのがわかった。
『墓の前でね、転ぶと連れて行かれるんです。
他にも他人の墓で手を合わせては行けないとか、色々とルールがあるんですよ。
三郎くんは連れて行かれなかった。元々寄せ付けない体質だったから。
でも、見えるようになったり、寄せ付けてしまったり...』
「どうしたら...」
どうしたらいいのかと思わず呟いてしまう。
焦りを隠さずには居られなかった。
それは三郎も同じのようだった。
「二郎、三郎、お前らなんか隠してんのか?」
『今余程の物が居る。違いますか?』
俯いていた俺も三郎も咄嗟に顔を上げる。
肯定したいのに、わかってくれたと言うこと、
助けてくれるかもしれないという希望で
何かが込み上げて来そうで返事が出来ない。
「弟たちに...何かあるんスか。どうやったら助けられますか...」
『一郎くんに相談してたら、寺生まれのやんちゃなお坊さんがなんとかしてくれてたかもだけど、
その時間もなさそうですね...お祓いして、元の体質に戻すことは出来ますよ!』