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ゆめゆめ忘れることなかれ

第1章 依頼者に依頼する。BB!!!


「ところで何の店をされるんッスか?
それによってウケる地域も変わってくると思うんで!」

『占いです!』

「へぇ!占いッスか!流行廃りがない業種っすよね!」

『そうかもしれませんね!でもまぁ...口コミが左右することはありますね。』

それはそうか...当たる当たらないで左右されることもあるだろう。
依頼を受けるからには当然繁盛して欲しい。

「あ、それなら俺らを占ってくれたりしませんか?
体験したらお客さんとかに勧めやすいんで!」

『え!そんなことまでしてくれるんですか?
ぜひぜひ!お願いします!』

山田三郎side

いち兄には悪いけど、占いだとか非科学的や確証のないことに興味も信用も無いのが正直なところだ。
占って貰っても、気の利いたことを言えるかどうか...

「三郎!まずはお前からだ!」

いち兄の指名があるからには、受けないなんて選択肢はない。
そう思いながら依頼者の向かいに座る。

『山田三郎くん。ですね。』

こういうのは生年月日や血液型等を聞いて統計学から見るもんだ。
統計学だって馬鹿にはならないけど、それが占いとなると話は別だ。
と思ってたんだけど、彼女は僕のことはじーっと見つめている。
先ほどの雰囲気とは全然違って、近寄りがたい...いや、恐れ多いと言った方がいいかもしれない。

『過去のことを話してもしょうが無いでしょう。まぁ、先のことで関係のあることを一つだけ言わせてもらうとすれば、10歳のときにここから西にあるお寺の墓で派手に転んだこと、ないですか?』

「な、なんで、それを...」

いち兄にも二郎も知らない情報だ。
その時見ていたのかとも思ったけど、転んだのが恥ずかしくて、誰かに見られてないか周りを見たし、
誰も居なかったのも知ってる。
なのに、なんで...??

『占いとか非科学的なことは信じない。でも、霊的なことは信じてる節はありますよね?
それも、転んだとき以来...』

「っ...」

図星だった。この人...全部...わかってる...。

「そうなのか?三郎...」

「......。」

黙ってる二郎が気になる。

『そこで、山田二郎くん。二郎くんは...知ってましたよね?この類いで三郎くんが悩んでいたこと。』

「二郎...知ってたのか?...僕に...その...」
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