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ゆめゆめ忘れることなかれ

第1章 依頼者に依頼する。BB!!!


山田一郎side

依頼者に依頼するなんてことは、ほとんどない。
飴村乱数はその例に漏れず、
依頼をされたら、そのついでに他の依頼者関係で必要な物を依頼することはある。
昔馴染みってのが前提だ。
専門的なことで自分たちの手に負えなければ、
結局は業者やむかしなじみなどに頼まざる得なくなる。
ほとんどの依頼者は業者で事足りるようなら、最初からそうしてるし、
探偵や捜しもの、仕事の手伝いなどを依頼してくることが多い。

今回、この依頼者だってそうだ。
テナント探しで、女一人だといい顔をされないから
一緒に回って欲しい。
ついでに、どこが繁盛しそうか。という意見も欲しい。という依頼だ。
特に変わったことのない、ベーシックな案件だ。
二つ返事で了承した。

そこから話を聞いていくと、最終的に俺たちが依頼をする流れになったわけだ。

一時間前

チャイムが鳴り、どうぞと声を上げると
一人の女性が顔を覗かせた。

『依頼をしたいんですが...』

妖艶な雰囲気の顔立ちの整った女性という印象。
席に座らせると、三郎がお茶を用意してれる。

『ありがとうございます!』

クールな人なのかと思ったが、
人当たりの良い笑顔で礼を言う姿は
依頼を受ける側として、とても安心した。

「それで、依頼というのは?」

家の写真が載っている書類を数枚テーブルに出す依頼者。

『私は と言います。
依頼したいことは東京で店を出したいんですけど、
テナントを見に行くのに女一人だと借して貰えなかったり、いい顔されないんです。
それで、一緒に見に行ってもらえないかなと。
ついでに立地的に良いとか悪いとか、他に候補があれば教えて貰えませんか?』

「なるほどッスね!もちろん、大丈夫ッスよ!
書類見る限り、家賃とか条件とかは大体わかりました!」

『よかった!!よろしくお願いしますね!
いつに内見の予約を取ったら良いでしょうか?』

「明日から5日間の間だと、ブッキングがないんで大丈夫ッスよ!」

『ありがとうございます。それで取ってみますね!』

それを聞いていた三郎と上から降りてきていた二郎が

「あ、あの、候補の物件、僕で良ければ探しますよ!」

「俺もダチに周りのカンキョーとか聞いてみるよ!」

適材適所だな。それ系は二人に任せた方が良さそうだ。

「あぁ、頼むぜ!」
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