第2章 曰く付きのラブホテル MTC&BB!!!
『毒島さんもよく似てます。
焚き火とか日常的にしてますよね?
それも厄除けになりますし、あ、あとは、
寝ていたソファーの横に鞄置いてましたよね?
その中に塩、入ってたのがかなり大きかったです。』
理鶯は顎に手を当て感心したように
「ふむ。山田兄弟たちが勧めてくれただけはある。
貴女は優秀な力を持っている。」
『ここまで聞くと、入間さんがなぜ狙われたのかはわかりますね。
職業柄、恨まれることも多く、防御するものも何もない。狙うにはうってつけでしたね。
呪文...ってかお経唱えられたあとに、首を絞められ、
絞め後が着いた時点で呪いの完成ってとこまで持ち込みたかったようですが、
理鶯さんの持っていた千年塩と念力じみたパワーが救いでしたね。』
銃兎は理鶯に一生頭が上がらないほどの恩を感じた。
そんな中、左馬刻が違和感に声を上げる。
「お経っつったよな?確かに似てやがるが聞いたことねぇお経だったぜ。
ま、当然全部知ってるわけでもねぇから、知らねぇだけって線もあるかもしんねぇが。」
『いえ、大抵の人が知ってるお経ですよ。』
一郎が首をかしげながら
「般若心経くれぇしか知らないッスね...」
『そう。般若心経。まぁ聞き覚えのないのも当然ですね。奴らが唱えてたのは、逆お経ですから。
あ、逆拍手もセットでしたか。』
「逆...お経...?...は..?」
入間は震える声で問う。
『般若心経とは魂に栄養を与えたり、生きてる人を励ましたりするもの。
逆お経言わば、逆般若心経は通常とは逆ということ。
魂の栄養を抜き取り、生きてる人を貶める。
逆拍手は呪いの前段階ですね。』
「とんでもなくやべぇー奴らなのはわかった。
他の拝み屋が拒否するくれぇやべぇやつだ。
そんなんでも何とかできんのか?」
『まぁ、割とイージーで安心したくらいなので、大丈夫ですよ!
というか、お祓い師ならこれくらい普通に出来ます。』
ホッとした様子から眉間にしわ寄せる左馬刻。
「あ?何人かの拝み屋が力不足って蹴ったのはなんだってんだ?」
『今もその宗教団体はまだ何人か残党がいて、
そして碧棺さんが頼もうとしていたお祓い師たちは多額の援助を受けてた人たちなんでしょうね。
まぁ、よくある話です。時代的にも組織の大きさ的にも援助を受けるのにちょうど良かったんでしょう。』