第2章 曰く付きのラブホテル MTC&BB!!!
「ちっ。なるほどな。しょうがねぇっちゃしょうがねぇな。」
『それじゃぁ、行きますか。』
「まぁ、待て。報酬の話をしなきゃなんねぇ。」
『あー。いや、いらないですよ!』
最初から要らないと言ったように、きょとんと言ってのける。
「んな訳にはいかねぇ。いくらでも出す。
今回のことでシノギが上手くいくなら、安いもんだ。」
『では、お金はいらないですけど、中華食べたいです!四川の麻婆豆腐!チャーハン!北京ダック!!』
突拍子もない発言に思わず笑いが込み上げた。
「っ...はははは!!わーったよ!いくらでも食わせてやる!一郎!てめぇらもこい!」
急に名前を呼ばれたと思ったら、自分も誘われたことに驚き
「てめぇらもって、二郎も三郎もか?」
「あたりめぇだろ。紹介者はてめぇらだ。そんくらいの報酬はケチらねぇよ。」
「そうか。なら、世話んなるぜ!」
懐かしい左馬刻の雰囲気に、顔をほころばせた。
一同は件のホテルの前に到着し、
彼女はというと、ホテルに目を向けるより先に周りの電柱などや古い建物の壁などに目を向けながらホテルの周りを隈無く調査してるようだった。
ちょうど半周したとき、何かを見つけたのか足を止めた。
「そんなところ、何かありましたか?」
彼女の行動を不思議に思ったのか、銃兎は彼女を目で追いながら問いかけた。
『あ、あった!これ、見てください!』
皆が彼女の指さす壁の下側を覗き込む。
「むっ。これは...赤いペンで何か描かれている。」
「んだこりゃぁ。...鳥居...か?」
『そうです。これは、無縁仏や霊の通り道です。
この前に立って、ホテルの方を向いてみると、101号室がある方向ではないですか?
しかもここは坂道に位置してるので、地下の部屋ともぴったり合います。』
「確かに。でも、それに一体何の関係があるんすか?」
『さっき言ったみたいに、無縁仏や霊の通り道なんですよ。分かりやすく言うと、霊道って聞いたことないですか?この鳥居は無事に神社やお寺に着くようにっていう目印なんです。
だから、これを消して、こっちにずらしてっと。
よし、これで霊道がズレました。いよいよ、中に入りましょうか。』