第1章 初恋は破綻する。
「私の知り合いがヤバそうなLINE送ってきた。」
硝子は送られてきた写真を悟に見せると、悟は目を顰めた。
写真はゆらの自撮りで、緑色のドロドロした呪いがゆらを覆い尽くしていた。
「……ああヤバいね……上級案件だ。」
それでも悟は興味無さそうにスマホから目を晒した。
「一緒に来て祓ってよ……。」
「んー……?………その子可愛い?」
「……………。」
緑の物体とデロンデロンに融合されている写真には、本来のゆらの姿は写ってなかった。
「……はぁ……目隠しは取るなよ…、その子『男性恐怖症』だから…。」
硝子の言葉に、悟はピクリと眉を動かせた。
(『男嫌い』じゃなくて、『男性恐怖症』ね……。)
なんの因果か。
悟は先ほど見た幼い時の夢の女の子を思い出した。
「いいよ、『貸しとく』」
ニヤッと笑って硝子を見ながら悟は立ち上がった。