第1章 甘夜に溶ける月
がくがくと震えるの身体を下ろして、次は蜜壺に一本だけ指を沈めてやる。
「はぁんっ…足り、ない…よぉ…!」
「足りない、とは?これでも?」
「あぁぁんっ!?」
今度は一気に三本の指が沈められ、爪で中を傷つけないように、器用に指の腹で蜜壁を擦って来た。
「は、此処が好いのでしょう?」
果実を潰すような音を立てながら、の好い所を的確に攻める度に、勢い良く潮が吹き出す。
「おっと、こいつは凄い…」
中の具合からして、限界が近いのだろう。
「果てそうか?」
強く頷くを見つめ、指の動きを速めてやると、蜜壁が締め付けて来て、全身が痙攣した。
は悲鳴にも似た、甲高い嬌声を上げて絶頂を迎えた。
酷く息を荒げるの、両眼からは涙が流れていた。
しかしそれは、つらいからでも苦しいからでもない。
快楽に打ち震える、悦びの涙だ。
薬売りはの中から指を引き抜くと、愛蜜の滴るそれを見せつけるようにべろりと嘗めた。
「良い加減、の、一番欲しい物をやりましょう。」
「もう…早く、来てっ!!」
遂に何よりも待ち望んでいた、薬売りのそれがをひと思いに貫いた。
その瞬間、絶叫を上げたを、薬売りは掻き抱いて容赦無く好い所ばかりを穿つ。
それでいて、の熔けるように熱い蜜壁が纏わりつき、絶え間無く湧き出る愛蜜に沈み込む感覚に、薬売りは言いようの無い悦楽を覚えた。
「こりゃあ…いつもより、随分と具合が良い。」
薬売りが衝動を突き動かす度に、の愛蜜が飛び散り、おぞましいまでの粘着質な水音が響く。
の甲高い嬌声が、次第に本当の悲鳴に、そして絶叫へと変わっていく。
は薬売りの淡い金糸の髪を両手で掻き乱しながら、無我夢中で縋りついて荒波の如く押し寄せる快楽を全て受け入れた。