第1章 甘夜に溶ける月
更なる高みを求めて、は自分の両脚を、薬売りの腰に絡めて一気に引き寄せる。
思いもよらぬの動きに、薬売りは迫り来る限界を感じた。
「…っ!?」
それによりは、薬売りにこれ以上無い程までの最奥を抉られ、薬売りにとってはにいきなり腰を引き込まれた挙げ句に、蜜壁で容赦無く自身を締め上げられる。
乱れ狂うを、もっと見ていたい。
何なら、壊れるまで味わい尽くしたい。
薬売りは、最後の足掻きとばかりにに深く口づける。
熱い舌が絡まり合い、酸欠で朦朧としてきたが、今のにはそれすらも幸福でしかない。
「薬売りさん…っ!出して、っ…お願い!中に、いっぱい出してっ…!!」
「ああっ、…!たっぷり、受け取れっ…!!」
は一際大きい絶頂の後、夥しい白濁の熱で胎内が満たされるのを感じ、この上ない悦楽を噛み締める。
充分過ぎるほどに満ち足りて恍惚とした表情を宿し、四肢は完全に弛緩していた。
薬売りはと繋がったまま、その身体の上に倒れ込んだ。
触れるだけの口づけを落として、自分の手のひらをの手のひらに重ね、指を絡めて来る。
もそれに応えるように、指を絡ませて握り返した。
いまだの中に残る余韻は、何とも心地良い。
「、心から…楽しませて、もらいましたよ。」
は優しく笑った。
やがて空が瑠璃色に染まり始める頃、ようやく深い眠りに就いた二人はしっかりと抱き合っていた。