第1章 甘夜に溶ける月
は、薬売りの顔を両手で包んで引き寄せ、貪るように口づけた。
そしての方から舌を絡ませる。
しかしの舌は、すぐに薬売りの舌に絡め取られて、逆に口内を蹂躙され、淫靡な水音がの脳内を侵していく。
「んぅっ…ふっ、うぅ…」
いつもなら既に、呼吸がままならず苦しい筈なのに、何故か今宵は格段と甘く感じて、はまた負けじと舌を絡ませた。
ようやく唇が離れた時には、どちらのものともつかぬ唾液が溢れた。
それから呆気無く、の浴衣は剥ぎ取られてしまった。
露わになったの白い肢体は紅く火照り、両胸は既に天辺の飾りを尖らせている。
その飾りを口に含み、時折吸い上げては舌で転がしてやる。
「あぁ…!やっ…ぁんっ!」
「ふふ…可愛らしい。いつもより、随分感じているようで。」
揉みしだいてやれば、手の中で自在に形を変えるそれを、薬売りは悪戯な笑みを浮かべながら楽しんだ。
は、薬売りの浴衣の帯を掴んで解く。
「欲しいよ…っ…」
に取り出された薬売りのそれは、既に充分な質量を持ち、先端からは透明な粒が零れていた。
は嬉しそうにその先端に口づけると、ねっとりと舌を這わせる。
「ああっ…!、はっ…」
予想だにしなかったの変貌に、薬売りの喉からもたまらず甘い声が漏れる。
道理でこいつは、飛ぶように売れていく訳だ…
先刻、に菓子と偽って渡した物の正体は、媚薬だったのだ。
事実、普段であればいつも自分が主導してを啼かせてばかりいるのに、今宵はの方から何の恥じらいも無く求めて来るのだから、効果覿面である。
そんな事を考えているうちにも、はたっぷりと唾液を含ませながら、それを深く咥え込んでいた。
わざと湿った音を立てて、舌と唇とで愛撫していると、それは更に大きく堅くなり、脈打つ速さもより上がった。
その上、薬売りはの潤んだ瞳で見上げられて一気に限界が迫り、呼吸が乱れる。