第3章 喰らうは甘味 喰われるは甘美
「嫌ああっ!!何で!?何でっ…!」
「あれだけ食わせてやったのだから、当然でしょう。親しき仲にも礼儀あり、ですよ。」
「そんなっ!?無茶苦茶すぎるよ!!もう…やめ、てっ…ああんっ!嫌っ…嫌あっ!!」
「無茶苦茶なのは、もですよ…上の口は、嫌だ嫌だと言う癖に、下の口は、随分と正直なようで。」
薬売りが親指での花芯を押し潰しながら、中指と薬指とで蜜壺を掻き乱してやれば、溢れる愛蜜は止まる事を知らない。
「聞こえますかい?こんなに、涎を垂らして、欲しがってますぜ。」
わざと卑猥な水音を立ててやると、は羞恥のあまり頬を深紅に染め上げた。
「嫌っ…!あっ、はぁあっ…ダメぇっ!」
「上の口はそう言っても…下の口が、俺の指を喰らって離してくれん。」
そうしてより激しくの中を掻き乱してやれば、蜜壁が薬売りの指を締め付けて来た。
「上も下も、欲張りな口だ。」
「はぁあん…やっ…!ダメ、もぅ…ああーーーっ!!」
は果てると同時に、大量の愛蜜が噴き出すように溢れ、薬売りの手どころか、互いの着物や畳にまで滴り落ちた。
「ああもう…こんなに濡らしたら、後が大変だ。」
薬売りは、の愛蜜で余す所なくべったりと濡れた手を、彼女の眼前に翳して見せつけた。
その指を、の口に突っ込んで、何度も抜き挿しする。
「んっ…む、ぅう…」
「甘いでしょう?」
は眉を顰めて固く眼を閉じ、首を横に振る。
「そいつは、残念だ…」
なおも口内をまさぐる薬売りの指に、は堪らず舌を絡ませた。
次第にの瞳が、陶酔に溶けてゆく。
ゆっくりと引き抜かれる薬売りの指に、は名残惜しそうに舌を這わせた。